2023年3月3日、ハノイ市 – アンズオングループ(ADG)は、農林水産省所管の一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)と意見交換会を開催しました。今回の会議のテーマは:
「日本の食品加工分野で働くベトナム人材の質の向上について」
会議では、現在日本で食品業界に従事しているベトナム人技能実習生の状況について意見交換が行われました。
OTAFF事務局長・下條 龍二氏は、近年ベトナム人技能実習生の数が減少傾向にあることに懸念を示し、その要因を把握したうえで、効果的な対策を講じ、食品業界の加盟企業に正確な情報を提供したいとの意向を述べました。
これに対して、アンズオングループ会長・ブイ・スアン・クアン(Bùi Xuân Quảng)氏は、実習生の減少要因として、円相場の変動、新型コロナ感染症による入国制限政策の影響、技能実習制度における給与水準の低さなどを挙げました。その一方で、日本は依然としてベトナムの若者にとって魅力的な労働市場であり、OTAFFが所得向上や税制優遇などを含めた改善策を検討し、労働者がより良い蓄えと将来設計ができるよう支援してほしいと提案しました。
さらに、OTAFF側からは、特定技能1号試験に対応するため、ベトナム人材の技能水準向上が不可欠であるとの意見が示されました。下條氏は、ベトナム人労働者の勤勉さと賢さを高く評価しつつも、現状の技能レベルには改善の余地があると述べました。
それに応えて、ブイ・スアン・クアン会長は、アンズオングループが職業訓練において、施設・実技・語学の充実、さらには日本人専門家による技術移転を積極的に取り入れており、出国前に労働者が必要な技能を確実に身に付けられるよう尽力していると強調しました。
本意見交換会は、率直かつ建設的な雰囲気の中で行われ、両者の今後の実質的な連携の可能性が広がる有意義な場となりました。
今後、日本の食品製造・包装業および外食サービス業といった伝統的かつ多くのベトナム人に人気のある分野において、技能の標準化および質の高い人材育成を共に推進していくことが期待されます。